NTTファイナンスが発行するクレジットカードが、「NTTグループカード」となります。独自の特典が付与されていてお得なのですが、「NTT」関連の支払いがとても有利になります。
一見複雑そうなポイント付与の仕組みですが、じっくり理解してみると意外にお得に使える方法がありそうなクレジットカードです。
今回はNTTグループカードについて、見ていきたいと思います。
NTTグループカードの特徴
NTTグループカードはレギュラーとゴールドの2種類
NTTグループカードは、通常のレギュラーカードと、ゴールドカードの2種類があります。それぞれの基本スペックについて確認しましょう。
NTTグループカード レギュラーの概要 | |
還元率 | 1.0% |
発行元 | NTTファイナンス |
国際ブランド | VISA、Mastercard |
年会費(税込) | 1,320円(WEB明細利用で無料) |
家族カード | あり(無料) |
ETCカード | あり(550円/税込 年間) |
ポイント付与対象の電子マネー | 楽天Edy、Smart ICOCA、モバイルPASMO |
NTTグループカード レギュラーは、通常年会費が1,320円(税込)となっていますが、会員専用WEB明細の登録で年会費が無料になります。
年会費無料カードとしては、ショッピング保険などの特典が充実しています。
NTTグループカード ゴールドの概要 | |
還元率 | 1.0% |
発行元 | NTTファイナンス |
国際ブランド | VISA、Mastercard |
年会費(税込) | 5,500円(100万円以上利用で無料) |
家族カード | あり(1,650円) 年間150万以上利用で無料 |
ETCカード | あり(無料) |
ポイント付与対象の電子マネー | 楽天Edy、Smart ICOCA、モバイルPASMO |
NTTグループカード ゴールド はレギュラーカードに特典を追加したカードです。「空港ラウンジサービス」、「国際線手荷物宅配優待サービス」など、様々な日常生活を豊かにするサービスが付帯しています。
保険サービスも充実していて、レギュラーカードでは年間100万円までのショッピング保険が300万円までと引き上げになります。
さらに、NTTグループカード レギュラーカード、ゴールドカード共に電子マネーのチャージでポイントが貯まります。公式サイトでは楽天Edy、SMART ICOCA、モバイルPASMOが掲げられており、ポイントが貯まると明示されています。
還元は2つのコースを選べる
NTTグループカード レギュラー、ゴールド共に、カードは申込時にポイントの扱いを決める事ができます。
1つは高還元率の「おまとめキャッシュバック」、もう1つは「ポイント・プレゼントコース」です。
ライフスタイルに合わせて、いつでもこのコースは変更できます。
おまとめキャッシュバックコース
毎月のショッピング利用額と、対象の通信料金に応じてキャッシュバックがされるコースです。対象の通信料金を多く利用している場合はこのコースがお得です。
キャッシュバック金額の計算式は下の通りです。
対象の通信料金の合計金額×ショッピング利用額に応じたキャッシュバック率
【対象となる通信料金】
- NTT東日本
- NTT西日本
- NTTコミュニケーションズ
- NTTドコモ
- OCN
- WAKWAK
- plala
- ひかりTV
- スカパー
- NTTファイナンス おまとめ請求
※上限金額15,000円です。
【ショッピングの利用額に応じたキャッシュバック率】
月間カード利用金額 | キャッシュバック率 |
0〜2万円未満 | 0% |
2〜4万円未満 | 1.5% |
4〜6万円未満 | 3.0% |
6〜8万円未満 | 4.5% |
8〜10万円未満 | 6.0% |
10〜20万円未満 | 8.0% |
20〜30万円未満 | 18.0% |
30〜40万円未満 | 28.0% |
40〜50万円未満 | 38.0% |
50〜60万円未満 | 50.0% |
60万円以上 | 60.0% |
例えば、対象となる通信料が上限の15,000円として、クレジットカードの利用額が60万円以上使ったとします。
キャッシュバック金額=15,000円×60%=9,000円
となります。この場合の還元率は9,000円÷60万=1.5%です。
キャッシュバック額は、対象料金とカード利用額の利用額に応じて増えていく仕組みになっています。対象となる通信料金が多いほど(上限額1万5千円)メリットがあります。
ポイント・プレゼントコース
クレジットカードの利用でポイントを貯めて、景品やdポイント、ANAマイレージなどに交換するコースです。
ポイントの貯まり方は下の表のようになっています。
カードの利用方法 | 貯まるポイント |
NTT東、NTT西、NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、NTTファイナンスおまとめ請求 | 利用額200円につき2ポイント (還元率1.0%) |
カードショッピング | 利用額1,000円につき10ポイント (還元率1.0%) |
ボーナス期間(2月~翌1月)の期間に累計5,000ポイント獲得 | 500ポイント (5,000ポイント獲得するたび) |
ポイントプレゼントコースで貯まるポイントは、獲得月より2年間の有効期限となっています。獲得月が古いポイントから交換となりますが、ポイントの延長処置はないので失効には注意が必要です。
還元率は1.0%となりますが、カードショッピングの付与が支払ごとの付与になっている点に注意しましょう。消費税含む1,000円単位ですが、1,000円未満の端数はポイント付与の対象外となっています。
また、NTTドコモの店頭で請求書(振込票)によるクレジットカード払いをした場合は、1,000円につき10ポイントのカウントになります。
NTTグループカードのお得な特典(共通)
NTTグループカードの利用者向けにお得な3つの特典が用意されています。
倍増TOWN(ポイントモール)
NTTグループカード会員専用のポイントモールです。
倍増TOWNを経由して、いつものショップで買い物をするだけでポイントが最大で26倍貯まります。
楽天市場やYahoo!ショッピングなど450店舗以上が集まっているので、必ず倍増TOWNを経由して購入するようにしましょう。
優待サービス
NTTグループカード会員向けの、優待が揃っています。
ジャンル | 優待サービス | 優待内容 |
トラベル | ツアー優待 | 最大8%OFF |
ホテル優待 | 提携ホテルがカード会員向け優待料金 | |
カーライフ | レンター優待 | ニッポンレンタカーのカード会員向け優待料金 |
サンパーキング | 成田・羽田空港の駐車場料金優待 | |
レジャー | スパリゾートハワイアンズ | 利用料金の優待 |
富士急グループ優待 | 富士急グループの施設を特別利用料金で入場可能 |
他の提携クレジットカードと比較すると、優待サービスが少し少ないようなイメージですね。このジャンルには力を入れていないのでしょう。
出光キャッシュバックシステム
全国の出光サービスステーション(以下、SS)でガソリンの給油に、NTTグループカードで支払いを行うと、ガソリン代、軽油代が値引きになります。
ガソリン代が2円/L~最大40円/L、軽油が1円/L~最大20円/L引きとなります。
値引き額は、1ヶ月のカード利用額に応じて変動します。この出光キャッシュバックシステムは値引きの仕組みが少し面倒です。
SSでの利用金額 | 出光キャッシュバックシステムのポイント | お得単価 |
1,000円以上1万円未満 | 1ポイント | 2円/L |
2万円 | 2ポイント | 4円/L |
5万円 | 5ポイント | 10円/L |
10万円 | 10ポイント | 20円/L |
20万円 | 20ポイント | 40円/L |
ここでのポイントは、利用金額が出光サービスステーションでの利用金額が対象となっている点に注意が必要です。あくまで、給油に利用した金額であり、1ヶ月のクレジットカード全体の利用料金ではありません。
出光キャッシュバックシステムのポイントは、毎月16日から翌月15日までを1ヶ月間として、SSでのカード利用料金に対して付与(翌々月16日)されます。
出光キャッシュバックシステムのポイント有効期間は1ヶ月間です。1ヶ月間はお得単価の値引きを受ける事ができます。ただし、上限はガソリン、軽油ともに100Lまでとなります。
利用料金1,000円以上1万円未満は一律1ポイント、1万円以上は1,000円につき0.1ポイントの付与となっています。
ガソリンスタンドで2万円以上/月を利用するとすると、かなりの頻度で車に乗る方だと思います。月2万円のSSで支払いをすると4円/Lの値引となります。メリットはかなり大きいですね。
NTTグループカード ゴールドの特典
NTTグループカード ゴールドだけに用意されている特典をご紹介します。
空港ラウンジサービス
国内主要空港、ハワイ・ホノルル、韓国・ソウルでNTTグループカード ゴールドを提示すれば「ゴールドカード専用空港ラウンジ」を利用することができます。家族会員は家族カードを提示すれば利用可能です。
空港とラウンジ名、利用出来る国際ブランドについては下の表の通りです。
エリア | 空港名 | ラウンジ名 | マスターカード | VISAカード |
北海道・東北 | 新千歳空港 | スーパーラウンジ | ○ | ○ |
ノースラウンジ | × | ○ | ||
函館空港 | ビジネスラウンジ | ○ | ○ | |
旭川空港 | LOUNGE大雪「TAISETSU」 | ○ | ○ | |
青森空港 | エアポートラウンジ | ○ | ○ | |
秋田空港 | ラウンジロイヤルスカイ | ○ | ○ | |
仙台空港 | EAST SIDE | ○ | ○ | |
関東 | 成田国際空港 | ビジネス&トラベルサポートセンター(TEIラウンジ) | × | ○ |
IASS Executive Lounge1 | ○ | ○ | ||
IASS Executive Lounge2 | ○ | ○ | ||
羽田空港 | SKY LOUNGE(中央) | ○ | ○ | |
SKY LOUNGE SOUTH(南)(休業中) | ○ | ○ | ||
SKY LOUNGE ANNEX(北)(利用停止中) | ○ | ○ | ||
第1旅客ターミナル「POWER LOUNGE CENTRAL」 | ○ | ○ | ||
第1旅客ターミナル「POWER LOUNGE SOUTH」 | ○ | ○ | ||
第1旅客ターミナル「POWER LOUNGE NORTH」 | ○ | ○ | ||
第2旅客ターミナルエアポートラウンジ(南) | ○ | ○ | ||
第2旅客ターミナル「POWER LOUNGE CENTRAL」 | ○ | ○ | ||
第2旅客ターミナル「POWER LOUNGE NORTH」 | ○ | ○ | ||
中部・北陸 | 中部国際空港 | プレミアムラウンジ セントレア | ○ | ○ |
新潟空港 | エアリウムラウンジ | ○ | ○ | |
富山空港 | ラウンジ らいちょう | ○ | ○ | |
小松空港 | スカイラウンジ白山 | ○ | ○ | |
近畿 | 関西国際空港 | カードメンバーズラウンジ「六甲」 | ○ | ○ |
カードメンバーズラウンジ「金剛」 | ○ | ○ | ||
カードメンバーズラウンジ「アネックス六甲」 | ○ | ○ | ||
カードメンバーズラウンジ「比叡」 | ○ | ○ | ||
大阪国際空港(伊丹空港) | ラウンジオーサカ | ○ | ○ | |
神戸空港 | ラウンジ神戸 | ○ | ○ | |
中国・四国 | 岡山空港 | ラウンジマスカット | ○ | ○ |
広島空港 | ビジネスラウンジ「もみじ」 | ○ | ○ | |
出雲縁結び空港 | 出雲縁結び空港エアポートラウンジ | ○ | ○ | |
米子鬼太郎空港 | ラウンジDAISEN | ○ | ○ | |
山口宇部空港 | ラウンジきらら | ○ | ○ | |
松山空港 | ビジネスラウンジ | ○ | ○ | |
高松空港 | ラウンジ讃岐 | ○ | ○ | |
徳島阿波おどり空港 | エアポートラウンジ ヴォルティス | ○ | ○ | |
九州・沖縄 | 北九州空港 | ラウンジひまわり | × | ○ |
福岡空港 | くつろぎのラウンジTIME | ○ | ○ | |
宮崎空港 | ブーゲンラウンジ ひなた | × | ○ | |
大分空港 | ラウンジくにさき | ○ | ○ | |
熊本空港 | ラウンジ「Aso」 | ○ | ○ | |
鹿児島空港 | スカイラウンジ菜の花 | ○ | ○ | |
長崎空港 | ビジネスラウンジ アザレア | ○ | ○ | |
那覇空港 | ラウンジ華~hana~ | ○ | ○ | |
海外 | 韓国・仁川国際空港 | MATINA | ○ | × |
ハワイ・ダニエル・K・イノウエ国際空港 | IASS HAWAII LOUNGE | ○ | ○ | |
空港外 | ハワイ・ホノルルラウンジ | ○ | ○ |
国際線手荷物宅配優待サービス
国際線を利用して帰国した際、手荷物を空港から自宅まで優待価格にて宅配してもらう事ができます。
このサービスは、NTTグループカードの独自サービスではなく、国際ブランド(VISA、Mastercard)のゴールドカードに付帯するサービスになります。
海外アシスタントサービス
海外旅行に出発前、出発後に渡航先の情報収集や、主要51都市海外アシスタントデスクを利用することができます。
特に海外旅行で困ったときのサポートをアシスタントデスクに依頼、問い合わせをすることが出来るので安心です。
海外旅行傷害保険
NTTグループカード ゴールドには海外旅行傷害保険が自動付帯しています。さらに家族特約も付帯しているのも注目です。ただし、家族カードを持っているもしくは、19歳未満の生計を共にするNTTグループカード ゴールドの子供になります。
補償内容は下の表の内容になります。
補償内容 | 本会員/家族会員 | 家族特約対象者 |
---|---|---|
傷害による死亡・後遺障害 | 5,000万円 | 1,000万円 |
傷害治療費用 (一事故限度額) |
200万円 | 200万円 |
疾病治療費用 (一事故限度額) |
200万円 | 200万円 |
携行品の損害 (1事故免責3,000円) |
1旅行50万円 (年間100万円限度) |
1旅行50万円 (年間100万円限度) |
賠償責任 (一事故限度額) |
2,000万円 | 2,000万円 |
救援者費用 (年間限度額) |
200万円 | 200万円 |
※補償内容は最新の情報を、公式WEBにて確認をお願いします。
傷害治療、疾病治療の限度額が本会員・家族会員、家族特約対象、いずれも200万円までの補償になっています。医療費が高額となる海外では3~400万円ぐらいは補償して欲しいものです。
この傷害治療・疾病治療は他のクレジットカードなどの保険も合算が可能となっています。補償が上乗せされる自動付帯のエポスカードやBooking.comカードをもう1枚持、サブカードとて保有しておけば安心どはUPします。
サブカードとしてお薦めのクレジットカードが気になる方はこちらの記事から


国内旅行傷害保険
NTTグループカード ゴールドは他のクレジットカードでは珍しい、国内旅行傷害保険も付帯しています。国内旅行傷害保険は利用付帯になります。
補償内容は下の表の内容になります。
補償内容 | 本会員/家族会員 |
死亡・後遺障害 | 5,000万円 |
入院 | 5,000円/1日あたり |
通院 | 2,000円/1日あたり |
※補償内容は最新の情報を、公式WEBにて確認をお願いします。
ショッピング補償保険
国内、海外を問わずにNTTグループカード ゴールドで購入した商品の破損などが補償される特典です。家族会員も本会員同様の補償があります。
年間限度額 | 300万円 |
補償期間 | 90日間 |
自己負担額 | 1万円/1事故 |
ショッピング補償保険には、対象外の商品があります。代表的な対象外商品を下に例示します。
補償の対象とならない主な商品
- 不動産
- 船舶、航空機、自動車、自動二輪車、雪上オートバイ、ゴーカートおよびこれらの付属品
- 原動機付自転車、自転車、ハンググライダー、パラグライダー、サーフボード、ウィンドサーフィン、スキーおよびこれらの付属品
- 義歯、義肢、コンタクトレンズ、眼鏡およびこれらに類する物
- 動物および植物
- 切手および手形その他の有価証券、現金、印紙、切手、乗車券類ならびに宿泊券、観光券、旅行券その他あらゆる種類のチケット
- 食料品
- 稿本、設計書、図案、証書、帳簿その他これらに準ずる物
- ラジコン模型およびこれらの付属品
- デジタルソフトウエアのデータ
- 携帯式電子機器(移動電話、ポケットベル等の通信機器、ノート型パソコン、ワープロ等の携帯式電子事務機およびこれらの付属品)
- 中古品
スマホが対象外となっているのは残念ですね。スマホの価格は年々上昇していて、フラグシップモデルは10万オーバーとなるケースもありますので、対象に含んで欲しいものです。
まとめ
今回はNTTグループカード レギュラー、ゴールドの2種類のクレジットカードについて詳細を確認してみました。
当然なのですがNTT関連の通信費の支払いが多いほどお得になるカード設計がされていて、逆にNTT関連の支払いが少ないとメリットが少々弱いように思えます。
ポイント付与の仕組みが他のクレジットカードほど明快ではないので、どの支払いがもっともお得なのかわかりづらい印象を受けます。
お近くに出光SSがあるのであれば、出光キャッシュバックシステムを利用するのがおすすめです。NTTグループカード レギュラーを発行し、WEB明細登録で年会費無料にします。選べるコースはポイント・プレゼントコースにして、出光SSで1,000円以上の利用で2円/Lを狙うという感じです。
電子マネーのチャージ用として活用するのも、いいかもしれませんね。